亜鉛不足になるとなりやすい味覚障害

亜鉛不足になるとなりやすい味覚障害

味覚障害は、様々なことを原因として起こります。具体的には、慢性胃腸炎や糖尿病、風邪により嗅覚が鈍る、といったものです。しかし、それらの理由の中でも特に突出して多く見られるものは「亜鉛不足」です。味蕾(みらい)という器官が、私たちの舌や上顎には備わっています。この味蕾には味細胞という細胞があるのですが、味はこの味細胞によって感じることができるとされています。味細胞の生まれ変わりの周期は短く、かなりのスピードで新しくなっていきます。そのため、細胞の中でも特に亜鉛を多く必要とする細胞と言えます。

 

そのため、亜鉛の不足は味覚障害の大きな原因となります。亜鉛が不足した際、最初に変化が現れるのが味孔(みこう)という部分です。味孔は、味のある物質に反応する働きがあります。そして、さらに亜鉛不足が続くと、ついには味細胞が壊れてます。

 

また、たんぱく質を合成する働きも亜鉛は持っています。そのため、亜鉛が不足すると新しく細胞を作る作用も弱くなります。それがさらに味細胞の交代を遅らせてしまいます。

 

年齢を重ねるほど、亜鉛不足を原因とする味細胞の障害は引き起こされやすくなります。しかし、若い方でも、亜鉛欠乏よる味覚障害が発生する場合があります。

 

*味覚異常の様々な種類

 

「味覚異常」と一口に言っても、実際に起こる症状やその原因は多種多様です。味覚異常はまず大きな分類として「味盲」と「味覚障害」の2種類があります。特定の苦味物質を感じる機能が先天的に欠けているのが「味盲」です。これは遺伝的なもので、劣性遺伝によって伝わっていきます。一方「味覚障害」は、その症状によってさらに5つの種類に分けることができます。

 

1
味覚減退・味覚消失
味の感じ方が鈍化する、まったく味を感じなくなったりする
2
異味症
甘いはずのものを苦く感じるなど、本来の味とは異なる味を感じる
3
自発性異味症
口の中に何もない状態にも関わらず、苦みや渋みを感じる
4
解離性味覚障害
甘味のみが感じられない
5
悪味症
どんなものを口にしても嫌な味を感じる

 

このような味覚障害は、様々なものを原因として引き起こされるとされています。しかし、その中でも最大の理由はやはり「亜鉛不足」です。そのため、亜鉛が不足しないよう、積極的な摂取を心がけましょう。そうすることで味細胞の新陳代謝が活発になったり、あるいは新陳代謝を正常な状態で維持することができます。それが、きちんと味を感じることにつながります。

 

最近では、若い人たちの中に亜鉛不足の状態の方が増えていることが問題視されています。その理由は、特に若い女性に多い過剰なダイエット、菜食などの栄養バランスの偏った食生活、また、食品加工技術が進歩したため、食品添加物の多く含まれたインスタント食品のような加工食品を食べる機会が増えたことなどです。

 

一般的な食事をとっていれば、亜鉛が不足したり、逆に過剰になってしまうようなことはほぼ起こりません。亜鉛不足の状態になってしまわないよう、日常の食事に気を配り、バランスよく栄養素を摂取しましょう。